今からちょうど1年前、2008年のある日、マレフィスのメールフォームから思いがけない一通のメールが届いた。
それはビクターでA&Rをしている人からで、マレフィスのCDの再発を企画しているが本人達の連絡先が判らないので教えて欲しい、という内容だった。
個人的には何年も待った報せだった。
マレフィスをこのまま埋もれさせるのは惜しい。
その思いだけでこのHPが今もここにある。
けれどもずっとほとんど良いニュースを発信することができずにきたし、結果的にこのサイトで活動休止を発表したような形になってしまったため、マレフィス・ファンをがっかりさせるばかりだったと思う。
もし再発が実現されれば、このサイトが残っていたことで少しだけ、間接的にファンの方々のお役に立てるかもしれない。
もちろんすぐにふたりに連絡を取った。
ただ再発への道は諸事情により、それほどすんなりとは行かなかった。
今では、ふたりがミュージシャンだったことをまるで汚点でもあるかのように捉える周囲の状況もある。
誰かの想い出に残るような音楽を創ることは素晴らしい事だし、それは誰にでも出来るわけではないのだが…。
そしてもう、過ぎ去った日々のことだ。ふたりのした仕事は決して恥ずべきものではなく、いつか理解されると信じたい。
最終的にはレコード会社側が押し切るような形でコンプリート版発売が現実のものになった。
マレフィスがデビューした当時ラジオを担当していた先のA&Rの人にとって、どうしても実現しておきたい企画だったのだ。
今回の再発の話によって傷が癒え、過去と和解できるよう密かに期待したがそれは叶わなかった。
それでも個人的には、マレフィスのCDを再発したい、と強く思う人がビクターにいたことを知って嬉しかった。
録音されたのは今から10年以上も前の1994〜1996年だが、その音楽は今なお輝きを失ってはいない。 それどころか、当時幸運にもマレフィスを知り、青春の真っただ中で聴いてきたファンにとって、今改めて聴くマレフィスの曲の数々は特別な想い出を連れてきてくれる音のタイムマシンへと、成長すらしているのではないだろうか。
再発が実現し、このHPもやっとひとつの役割を果たせたように思う。
時折ここを覗いてくださった、マレフィスファンの皆様に御礼申し上げます。
コンプリート盤発売のお知らせ 2008/11/12
マレフィス活動休止について